9月になると酒屋の店頭に並び始める「ひやおろし」。秋だけの限定酒として、日本酒好きが心待ちにする存在です。
春に搾ったお酒をひと夏じっくり熟成させたひやおろしは、まろやかで深い旨味が特徴。この熟成の旨味に寄り添うのが、同じく旨味を凝縮させた海の珍味です。
この記事では、ひやおろしとは何かをおさらいしつつ、瀬戸内の珍味との相性抜群の組み合わせをご紹介します。
ひやおろしとは?秋だけの限定酒
ひと夏熟成させた「秋の日本酒」
ひやおろしは、冬から春に搾った日本酒に一度だけ火入れ(加熱殺菌)をして、夏の間は蔵でじっくり熟成させ、外気温が下がる秋に出荷するお酒です。搾りたての新酒のフレッシュさとは対照的に、角が取れたまろやかな口当たりと、落ち着いた旨味が楽しめます。
「秋あがり」との違い
似た言葉に「秋あがり」があります。秋あがりは「夏を越えて味わいが向上した状態」を指す言葉で、ひやおろしは「秋に出荷される酒」という出荷形態を指します。厳密な定義は蔵元によっても異なりますが、どちらも「秋に旨くなった日本酒」と捉えれば大丈夫です。
飲み頃の温度
ひやおろしは冷やでも常温でもおいしく、ぬる燗(40℃前後)にすると熟成の旨味がふくらむのも魅力です。涼しくなってきた秋の夜長に、温度を変えながらゆっくり楽しむのに向いています。
ひやおろしに珍味が合う理由
熟成でまろやかになったひやおろしには、淡白なおつまみよりも旨味の強い肴がよく合います。海の珍味は、素材の旨味を塩と時間で凝縮させた食べ物。「熟成の酒」と「熟成の肴」は、旨味の方向性が同じなので互いを引き立て合います。
日本酒と珍味の相性の基本は「日本酒となまこのペアリング」でも詳しく解説しています。
ひやおろしに合わせたい瀬戸内の珍味3選
1. このわた ── 熟成×熟成の王道
日本三大珍味の一つ、このわたはなまこの内臓の塩辛です。磯の香りとほろ苦い旨味が、ひやおろしのまろやかさと重なり合う王道の組み合わせ。小鉢にほんの少し、箸先でつまんでは一口飲む──秋の晩酌が一気に格上がりします。食べ方の詳細は「このわたの食べ方ガイド」をどうぞ。
2. ほしこ(バチコ)── 炙ってぬる燗と
ほしこ(バチコ)は、なまこの卵巣を干し上げた希少珍味です。軽く炙ると香ばしさが立ち、ぬる燗にしたひやおろしとの相性は格別。炙り方のコツは「ほしこ(バチコ)の食べ方5選」で解説しています。
3. 赤なまこ酢 ── コリコリ食感でリセット
旨味の強い珍味の合間に挟みたいのが、さっぱりした赤なまこの酢の物です。三杯酢の酸味が口の中をリセットし、次の一杯がまたおいしくなります。黄金比率は「なまこ酢のプロが教える三杯酢」をご参照ください。
秋の晩酌セットの組み立て方
おすすめは「このわた+赤なまこセット」の組み合わせです。濃厚なこのわたと、さっぱりしたなまこ酢で味の緩急がつき、ひやおろし一本をゆっくり楽しめます。通常地域は10,000円(税込)以上のご注文で送料無料ですので、組み合わせてのご注文がお得です。
日本酒に合う肴をもっと知りたい方は「日本酒に合う酒のあて15選」や「ほしこ・このわた・くちこと日本酒の合わせ方」もあわせてどうぞ。
秋はなまこの季節の入り口
なまこの旬は冬ですが、秋が深まるにつれて海の水温が下がり、なまこの身も締まっていきます。当店のなまこ基礎ガイドや「なまこの旬カレンダー」でも紹介しているとおり、これからがなまこのおいしい季節。ひやおろしと珍味で秋の晩酌を楽しみながら、旬の到来をお待ちください。
瀬戸内海の天然なまこから作る珍味は数量限定です。売り切れの際はLINEの再販通知にご登録いただくと、入荷時にお知らせが届きます。