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なまこの生態|再生・夏眠と冬が旬になる理由|瀬戸内なまこ屋

2026年09月28日 瀬戸内なまこ屋
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なまこは、魚でも貝でもありません。ウニやヒトデと同じ「棘皮動物(きょくひどうぶつ)」という、ちょっと変わったグループの生き物です。

体を硬くしたりやわらかくしたり、驚くと内臓を放り出したり、夏には眠ってしまったり──知れば知るほど不思議な生態をしています。そして、その生態を知ると「なぜ冬が旬なのか」「なぜあのコリコリ食感になるのか」も自然に分かってきます。

この記事では、産地の店として日々なまこを扱う立場から、なまこという生き物の面白さをご紹介します。

なまこはどんな生き物?

ウニ・ヒトデの親戚

なまこは棘皮動物の一種で、ウニやヒトデ、クモヒトデと同じ仲間です。見た目はまるで違いますが、体が5つの方向に分かれる「五放射相称」という共通の設計を持っています。なまこの体をよく見ると、細い管足(かんそく)が5列に並んでいるのが分かります。

目はなく、口のまわりの触手で砂ごと食べる

なまこに目はありません。口のまわりにある触手を使って海底の砂や泥を口に運び、その中に含まれる有機物やプランクトンの死骸を栄養として取り込みます。食べ終わった砂はきれいになって出ていくため、「海の掃除屋」とも呼ばれる存在です。海底の環境を整える役割を担っています。

ゆっくり、ゆっくり動く

移動には、体の下側にある管足を使います。泳ぐことはできず、海底をゆっくり這うように進みます。だからこそ、瀬戸内の漁師は素潜りで一つひとつ手に取って採ることができるのです。

なまこの不思議な3つの能力

1. 体を硬くも、やわらかくもできる

なまこを手に持つと、あるときは硬く、あるときはぐにゃりとやわらかくなります。これは体の壁にあるコラーゲンの結びつきを自分で変えられるためだとされています。岩の隙間に入り込むときはやわらかく、身を守るときは硬く──状況に応じて体の硬さを切り替えているのです。

この特殊なコラーゲン組織が、食べたときのあのコリコリとした独特の食感の正体でもあります。なまこに含まれる成分については「なまこの栄養素7選」でも触れています。

2. 内臓を放出して、また再生する

強い刺激を受けたりストレスを感じたりすると、なまこは尻尾側から内臓を放り出すことがあります。敵に内臓を差し出して、その隙に逃げるための防御行動だと考えられています。

驚くのはそのあとです。内臓を失っても死なず、時間をかけて再び内臓を作り直すとされています。体を半分に切られても再生することがあると報告されており、この再生能力は現在も研究が続いている分野です。

3. 夏は「夏眠」して休んでいる

多くの生き物は冬に冬眠しますが、なまこは逆です。海水温が上がる夏には活動を止め、岩陰などでじっとして過ごす「夏眠(かみん)」という習性があります。水温がおよそ25℃を超えると餌をほとんど食べなくなるとされ、この時期は身も痩せていきます。

だから、なまこは冬が旬

夏眠の話は、そのまま旬の話につながります。秋になって海水温が下がると、なまこは再び活発に餌を食べ始め、身が締まって太っていきます。そして冬、最も身が充実した状態になる──これが「なまこは冬が旬」と言われる理由です。

9月下旬の今はまだ水温が高い時期ですが、これから海が冷えるにつれて、なまこはおいしさへ向かっていきます。月ごとの変化は「なまこの旬はいつ?月別カレンダー」、冬のピークについては「冬が旬のなまこ」で詳しく解説しています。

生態を知ると、珍味の意味が分かる

このわた=放出されるあの内臓

日本三大珍味のこのわたは、なまこの内臓を塩辛にしたものです。一匹から取れる量はごくわずかで、だからこそ古くから珍重されてきました。濃厚な旨味の正体は、海底の有機物を食べて育った内臓そのものです。

ほしこ=卵をもつ季節の証

ほしこ(バチコ)は、なまこの卵巣を干し上げた珍味です。卵をもつ時期にしか取れないため、季節と生態を映した希少な一品です。

赤なまこの食感は、コラーゲンの働き

赤なまこを酢の物にしたときのコリコリ感は、先ほどの可変コラーゲンによるもの。歯ごたえを活かす切り方や下処理は「なまこの下処理」をご覧ください。種類ごとの違いは「なまこの種類大全」にまとめています。

不思議な生き物を、食べ続けてきた日本

これだけ変わった生き物を、日本人は千年以上前から食べてきました。古事記にも登場するなまこの食文化は「なまこの歴史」で紹介しています。瀬戸内の漁の現場を知りたい方は「なまこ漁の世界」もどうぞ。

なまこの基本をまとめたなまこの基礎知識ガイドもご用意しています。初めての方は、こちらから読んでいただくのが分かりやすいかもしれません。

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コラム一覧に戻る 2026年09月28日 公開

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