このわたの食べ方をご存じですか? 日本三大珍味のひとつでありながら、実際に口にしたことがある方は多くありません。瀬戸内海で50年以上なまこの加工を続けてきた私たちが、冷凍このわたの解凍方法から、日本酒との合わせ方、意外なアレンジまで、このわたの食べ方を余すところなくお伝えします。
このわたとは? ── 「海の宝石」と呼ばれる日本三大珍味
このわた(海鼠腸)は、なまこの腸を塩漬けにして熟成させた塩辛です。からすみ(ボラの卵巣)、うにと並んで日本三大珍味のひとつに数えられ、その歴史は平安時代にまでさかのぼります。
「このわた」という名前は、「こ(=なまこの古称)」+「わた(=腸・内臓)」。つまり「なまこの腸」をそのまま表しています。
なぜこれほど希少なのか。理由は、その途方もない手間にあります。なまこ一匹から取れる腸はごくわずかで、1kgのこのわたを作るのに数百匹のなまこが必要です。私たちは一匹ずつ手作業で腸を引き出し、丁寧に砂を洗い落とし、塩だけで漬け込みます。添加物や調味料は一切使いません。瀬戸内海の天然なまこと塩だけ ── だからこそ、澄んだ磯の香りとやわらかな甘みが生まれるのです。
琥珀色に輝くその姿から、「海の宝石」とも呼ばれています。
このわたの解凍方法 ── 風味を損なわない3つのポイント
冷凍のこのわたを美味しくいただくには、解凍方法がとても大切です。
正しい解凍手順
- 冷蔵庫でひと晩(8〜12時間)かけてゆっくり解凍する
- 解凍後、容器ごと取り出して常温に5分ほど置く
- キッチンバサミで食べやすい長さに切る(箸でも切れます)
やってはいけないこと
- 電子レンジ解凍は厳禁。熱で風味が飛び、食感が変わってしまいます
- 流水解凍もおすすめしません。水っぽくなり、繊細な塩味が薄れます
- 再冷凍は品質が大きく落ちるため避けてください
ポイント: 夕方の晩酌に合わせるなら、朝のうちに冷蔵庫へ移しておくのがおすすめです。
このわたの基本の食べ方 ── 「少量をゆっくり」が鉄則
このわたは、一度にたくさん食べるものではありません。箸の先にちょこんと乗せて、舐めるようにいただく ── これが基本です。
口に含んだ瞬間、ふわりと広がる磯の香り。噛むほどに感じるなまこの旨み。そしてあとから追いかけてくる、塩の奥のほのかな甘み。少量だからこそ、その奥深さを味わえます。
初めての方は、まず小皿にひと箸ぶん(5g程度)を取り、そのまま召し上がってみてください。「珍味」の名にふさわしい、他のどんな食べ物とも似ていない味わいに出会えるはずです。
当店のお試しセットでなまこ本体やバチコもお試しください。同じ瀬戸内海の天然なまこから、まったく異なる三つの味わいをお届けします。
まとめ
このわたは、少量をゆっくり味わうことで真価を発揮する珍味です。
- 解凍は冷蔵庫でひと晩。電子レンジは使わない
- 基本は箸の先にちょこんと。少量を舐めるように
- 辛口の冷酒や大吟醸と合わせれば、最高の晩酌に
- 大根おろし、柚子、イカ刺身など、アレンジも自在
瀬戸内海の天然なまこから、職人が一匹ずつ手作業で腸を取り出し、塩だけで仕上げた「海の宝石」。日本三大珍味の奥深い世界を、ぜひご自宅の晩酌でお楽しみください。