Column — コラム

なまこのさばき方|下処理・内臓の取り方・切り方の基本

2026年06月11日 瀬戸内なまこ屋
このわた作り方 なまこさばき方 なまこ下処理 なまこ保存方法 なまこ内臓 なまこ切り方

「なまこをもらったけれど、どうやってさばけばいいの?」「内臓の処理が不安で手が出せない」そんな声をよく耳にします。

しかし、なまこのさばき方は、コツさえつかめば意外なほどシンプルです。

必要な道具は包丁とまな板だけ。魚のように骨を取る必要もなく、特別な技術がなくても10分ほどで下処理が完了します。

この記事では、丸ごとの状態のなまこを購入した方に向けて、下処理の手順・内臓の取り方・切り方のバリエーションを図解つきで詳しく解説します。

なまこの食べ方ガイドとあわせて読めば、初めてのなまこ料理もスムーズに進められるでしょう。

まずは準備|必要な道具と下処理前の確認

なまこをさばくために必要な道具はごくわずかです。特別な調理器具は必要ありません。

用意するもの

  • 包丁 ── 一般的な三徳包丁や菜切り包丁で十分。切れ味の良いものを使うと作業がスムーズです
  • まな板 ── なまこは滑りやすいため、安定感のあるものを選んでください
  • ボウル ── 洗浄や塩もみに使用します。2つあると便利です
  • ── 粗塩がおすすめ。ぬめり取りと下味に使います
  • キッチンペーパー ── 水気の拭き取りに使用します

下処理前の確認ポイント

なまこは鮮度が大切な食材です。下処理を始める前に、以下の点を確認しましょう。

  • 体に張りがある ── 触ったときに弾力があり、しっかりと硬いもの
  • 磯の香りがする ── 新鮮ななまこからは、心地よい磯の香りがします
  • 体表のイボがしっかりしている ── イボ(突起)がはっきりしているものほど鮮度が良い傾向があります

なお、当店のお試しセットは下処理・カット済みの状態でお届けしていますので、以下の工程は不要です。丸ごとのなまこを入手した場合にお役立てください。

なまこのさばき方|5ステップで完了する基本手順

なまこのさばき方は、以下の5ステップで完了します。慣れれば1匹あたり5〜10分ほどの作業です。

ステップ1:塩もみでぬめりを取る

まず、なまこの体表をきれいにします。

  1. ボウルになまこを入れ、粗塩を大さじ1〜2杯ふりかける
  2. 両手でやさしくもむようにして、体表のぬめりや汚れを落とす
  3. 流水で塩をしっかり洗い流す

塩もみをすることで、ぬめりが取れるだけでなく、体が適度に引き締まって切りやすくなる効果もあります。

ゴシゴシと強くこする必要はなく、やさしくなでるようにもむのがポイントです。

ステップ2:口(石灰質の輪)を切り落とす

なまこの口は、体の一方の端にある硬い部分です。石灰質でできた輪のような構造(石灰環)があり、食べてもおいしくありません。

  1. なまこの口がある側を確認する(やや硬く、小さな穴が開いている端)
  2. 口の周囲を5mm〜1cm程度の幅で切り落とす

口と反対側の端(尻尾側)も、同様に薄く切り落としておくときれいに仕上がります。

ステップ3:腹を開いて内臓を取り出す

ここがなまこの下処理で最も重要な工程です。

  1. なまこを横に寝かせ、腹側(平らな面)を上にする
  2. 口から尻尾に向かって、包丁でまっすぐ一本の切り込みを入れる
  3. 切り口を開き、中に見える内臓を指や箸でやさしく取り出す

内臓は細長いひも状のもので、するりと引き出せます。

なまこの内臓には「このわた」の原料となる部分も含まれているため、捨てずに取っておくのもおすすめです。

塩漬けにすれば、自家製このわたとして楽しめます。

注意点:包丁を入れる深さは体壁を貫通する程度で十分です。なまこの体壁は意外と厚みがあるため、恐れずにしっかりと切り込みを入れましょう。

ステップ4:体壁の内側を洗う

  1. 内臓を取り出したら、体壁の内側に残った汚れや膜を流水で洗い流す
  2. 体壁の内側に付着している筋(縦に走る5本の筋肉)は、食べられるのでそのまま残す
  3. キッチンペーパーで水気を軽く拭き取る

内側の5本の筋は「縦走筋(じゅうそうきん)」と呼ばれ、コリコリとした食感が楽しめる部分です。取り除く必要はありません。

ステップ5:用途に合わせて切る

内臓を取り除き、きれいに洗ったなまこを、料理に合わせた形に切り分けます。切り方のバリエーションは次のセクションで詳しくご紹介します。

切り方のバリエーション|料理に合わせた4つのスタイル

なまこは切り方によって食感が大きく変わります。料理や好みに合わせて使い分けましょう。

1. 薄切り(2〜3mm)── 酢の物・刺身向き

最もポピュラーな切り方です。なまこを横にして、端から2〜3mm幅で薄くスライスします。断面が丸く美しく仕上がり、三杯酢やポン酢との絡みが良いのが特徴です。

コツは、包丁を手前に引くように切ること。押し切りにすると形が崩れやすいので注意してください。

2. やや厚切り(5〜7mm)── 食感重視の酢の物・和え物

コリコリとした歯ごたえを存分に楽しみたい場合は、少し厚めにスライスします。噛むほどになまこの旨味が感じられ、お酒のおつまみにも好適です。

3. 細切り(千切り)── サラダ・和え物向き

なまこを縦半分に切ってから、細く千切りにします。きゅうりやワカメと合わせたサラダや、梅肉和えなどに使うと食べやすく、なまこ初心者の方にもおすすめの切り方です。

4. ぶつ切り(2〜3cm)── 煮物・炒め物向き

加熱調理に使う場合は、大きめのぶつ切りにします。煮込み料理や中華風の炒め物では、加熱による縮みを考慮して大きめに切るのがポイントです。

さらにおいしく|塩もみ・湯通しのテクニック

基本のさばき方に加えて、仕上がりをワンランク上げるためのテクニックをご紹介します。

二度塩もみで食感アップ

下処理の最初に行う塩もみですが、内臓を取り出した後にもう一度塩もみをすると、身がさらに引き締まり、コリコリとした食感がより際立ちます。

  1. 切り分けたなまこをボウルに入れる
  2. 粗塩を小さじ1程度加え、やさしくもむ
  3. 流水で手早く洗い流し、水気を切る

塩もみの時間が長すぎると身が硬くなりすぎるため、30秒〜1分程度を目安にしてください。

湯通し(霜降り)で臭みを取る

なまこの磯の香りが気になる場合は、湯通し(霜降り)をするとよいでしょう。

  1. 鍋にたっぷりの湯を沸かす
  2. 切り分けたなまこをザルに入れ、沸騰した湯をさっと回しかける
  3. すぐに冷水にとり、水気を切る

注意点:長時間湯に浸けるとなまこが溶けてしまうことがあるため、あくまで「さっと湯をかける」程度にとどめてください。

湯通し後は臭みが抜け、なまこが初めての方にも食べやすくなります。

下処理後の保存方法|冷蔵・冷凍のコツ

さばいたなまこは、正しく保存すればおいしさを保つことができます。

冷蔵保存(2〜3日)

下処理済みのなまこは、酢水(水500mlに酢大さじ1)に浸した状態で密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。

酢水に浸すことで鮮度の低下を遅らせることができ、2〜3日程度はおいしく食べられます。

冷凍保存(約1か月)

すぐに使い切れない場合は、冷凍保存も可能です。

  1. 下処理・カットしたなまこの水気をしっかり拭き取る
  2. 1回分ずつラップで包み、フリーザーバッグに入れる
  3. できるだけ空気を抜いて密封し、冷凍庫へ

解凍は冷蔵庫での自然解凍がおすすめです。

電子レンジでの解凍はなまこが溶けてしまう恐れがあるため避けてください。

冷凍保存の場合、食感がやや変化する可能性がありますが、酢の物や煮物であれば十分においしく楽しめます。

なお、なまこレシピ10選では、下処理済みのなまこを使った多彩な料理をご紹介しています。せっかくさばいたなまこを、さまざまな調理法で味わってみてください。

よくある質問

Q. なまこの内臓は食べられますか?

はい、食べられます。

なまこの内臓を塩漬けにしたものが「このわた」で、日本三大珍味の一つに数えられる高級珍味です。

自家製のこのわたを作る場合は、取り出した内臓を薄い塩水で洗い、重量の約30%の塩を加えて密閉容器で1週間ほど漬け込みます。

Q. なまこをさばくとき、手がかゆくなることはありますか?

なまこ自体にアレルギー成分は少ないとされていますが、体表のぬめりや海水の成分で手が荒れる方もいらっしゃいます。

気になる場合は使い捨てのゴム手袋を着用すると安心です。

特に手に傷がある場合は、塩もみの際に痛みを感じることがありますので、手袋の使用をおすすめします。

Q. 下処理が面倒な場合、どうすればいいですか?

下処理・カット済みのなまこ商品を選ぶのが手軽です。

当店のお試しセットは、プロが丁寧に下処理した状態でお届けしていますので、届いたその日からすぐにお料理に使えます。

初めてなまこを試す方には特におすすめです。

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